第509号 ロジレビュー・インタビュー ~北村 宜大 氏(ホクショー株式会社)(後編)~ (2023年6月8日発行)
■はじめに
2022年7月より新たに開始しました、企業様へのインタビュー、第7回目の今回は、弊社のお取引様であるホクショー株式会社 北村 宜大(きたむら たかひろ)様にインタビューにお答え頂きました。物流やマーケティングの他、DXやSDGs等に関する取り組みについてのお話を伺いました。今回は、前編と後編の計2回に分けて掲載いたします。
■ご紹介
ホクショー株式会社
弊社の創業は第二次世界大戦の終戦後、1952年(S27)に私の祖父が農機具・機械工具を販売する商社として創業したことに始まりますが、2022年12月には創業70周年を迎えました。石川県は昔から米どころであったこと、工業用チェーンを製造する産業が盛んであったことから、農機具・機械工具を販売する商社としてスタートしましたが、農家の倉庫で米俵を運ぶ『ポータブル・スラットコンベヤ』という製品を開発したことからメーカーとしての歩みを進めてきました。そこには、重さ60kgにもなる米俵を肩に担いで倉庫の階段を上り下りしている姿を見て、「なんとかして農家の人たちを助けてあげることができないか。何か貢献できることはないか」という創業者の思いがありました。
参照:ホクショー株式会社 ホームページ(https://www.hokusho.co.jp/company.html)
ホクショー株式会社 代表取締役社長 北村 宜大 氏
【プロフィール】
北村 宜大(きたむら たかひろ)
1975年11月1日生まれ(47歳) O型 金沢市出身
最終学歴:近畿大学 商経学部 経済学科 卒業
趣味:ゴルフ・旅行
インタビュー者略歴 ▼
■インタビュー【後編】
――コロナ禍による影響や取り組みについて教えてください。
仕事のやり方は大きく変わりました。テレワーク(在宅勤務)は、対応できる職種と対応できない職種があります。弊社工場でコンベヤを組み立てる仕事は、テレワークではできないのです。
コロナになって最初にしたことは、不要不急の海外出張を禁止にしたり、マスクも不足していたので、マスクを2万枚直輸入して、50枚入りの不織布マスクを、多少工場に在庫していたものもあったので、合わせて社員全員に配ったり、弊社の事業所に入って仕事していただいている協力会社さん、派遣社員さんにも全員に配りました。
最初の年、コロナワクチンは医療従事者を優先し接種していましたが、一般向けには接種していませんでした。最初の年は、今回の冬と同じようにインフルエンザと新型コロナウイルスのダブルパンデミック(世界的大流行)が懸念されていました。最初の年と昨年の冬にはインフルエンザワクチンを会社負担で社員全員に接種しました。最初の1年間はひとりも感染者はいませんでしたが、オミクロン株になってからは家庭内感染が増えて、現在の累計感染者数は3人にひとり程になります。
白山工場に関しては、今もそうですが、休憩の時間を分けていて、食堂の椅子を間引いて、食堂を使う時間を分けています。出先の営業拠点は公共交通機関を使って通うので、最初の感染状況が酷い時は、基本全員テレワークでした。でも、パソコンは全員がノートパソコンを持っているわけではないので、家のテレビに繋いでパソコンになる機器を社員へ配布し、キーボードだけを持って帰ればいいようにして、基本全員テレワークにしました。
しばらくして落ち着いた段階で、出社率50%以下にして、テレワークできる人はテレワーク、会社へ行かないといけない時は時差出勤にしていただきました。感染状況が悪化した時は出社率50%以下にして、よくなってきたら出社率を70%まで引き上げることを去年まで実施していましたが、第71期の事業年度に入った昨年の7月からは出先の出社率の制限を撤廃しました。ただ、テレワークは出先の拠点に通っている人はすべての職種で、月あたり10日を上限の目安としてテレワークしてもよいというようにしました。弊社の場合は年間の休日が118日で、完全週休2日制にはなっているのですが、月の稼働日が20日から22日ぐらいなので、半分ぐらいテレワークしてもよいということになります。
テレワークの制度はコロナになってやらざるを得ずに始めたわけですが、家にいても水道光熱費はかかるので、テレワーク手当を出すようにしています。これはよく新聞で見ていると、月に3,000~5,000円ぐらいテレワーク手当を出しているのが大手企業では一般的で、弊社では1日テレワークしたら300円、月10日を上限にしているので、3,000円を上限に1日300円、テレワーク手当を出すようにしています。以前は基本出社だったので、出先の人の交通費は定期代に相当するものを毎月支給していましたが、テレワークをすると会社に来なくてもよくなるので、実費精算に変更しました。テレワークする職種の人は会社へ行く時は実費精算で、テレワークする時は1日300円のテレワーク手当を支給しています。
――今テレワークをされている方はどれくらいですか。
今は結構出社している人が多いと思いますが、大阪では約30%ぐらいはテレワークをしています。
――ずっとテレワークに変えていく会社が一定数いらっしゃいますが、実際に出社されている方が作業効率は良くなっていますか。
その仕事内容にもよるかもしれないですね。当然その人の習熟度、新入社員にテレワークしろと言っても、上司や先輩に相談しないと仕事はできないと思います。でも一番コロナが酷い時はテレワークでした。
――コロナ渦で会社の仕事の仕方は変わりましたか。
変わりました。2021年4月に入社した社員は、2020年に学生だと就職活動、私達は採用活動をしていましたが、コロナの感染拡大が始まっていました。面接解禁の頃はコロナの緊急事態宣言に近かった時です。緊急事態宣言が47都道府県に出る前に、日本全国の13都道府県が特定警戒都道府県に指定されました。東京、大阪、神奈川、福岡の他に、石川県も指定されました。弊社の事業所が全部この対象に入りました。その時に学生に面接で来てもらうわけにはいかなかったので、2021年4月入社の大学生は1次、2次面接もオンラインで行いました。学生からしたら、自宅でパソコンを繋いで面接し、私達は工場で面接官をやっていましたが、画面上での面接のみで、入社式ではじめての対面となりました。高校生に関しては対面で面接を行いましたが、例年より1か月遅れでの実施でした。
――テレワークに対応するのに、皆さん手間取っているような印象があったのですが、貴社はどうでしたか。
最初は大変でしたね。出先の営業拠点は今でもテレワークしている人はしているのですが、工場は出勤しています。弊社は1年以上コロナの感染者が出なかったのですが、最初に出たのが、2021年のゴールデンウイーク前ぐらいです。このとき、感染者と同じ部屋の人は全員自宅待機としました。仕事にはパソコンが必要ですが、工場はマイカー通勤なので、デスクトップのパソコンを持って帰って、家で仕事をしてもらいました。感染者がでた部屋は外部の消毒会社に依頼して、消毒してもらいましたが、現在は自分たちで消毒をしています。最初は対応がわからず大変でしたが、今はもう普通になってきています。現在は国全体で全数把握をしていませんが、累計感染者数が3200万人を超えており、日本全体の人口からすると、4人にひとり以上いる計算です。できることは限られていますが、コロナ渦でできることは全部やってきたと思っています。
――質問に答えていただいた資料に、資源価格とエネルギー価格の高騰、半導体不足に伴う電気・電子部品の長納期化が最大の懸念事項と書かれていますが、どのような状況ですか。
これは今もそうです。電気部品、お使いいただいている弊社の垂直搬送システムや仕分け搬送システムでも「PLC(シーケンサ)」や「インバーター」を使っていますが、こういったものが、なかなかすぐに入ってこないのです。コロナ前までは、注文して1か月もあれば入ってきた部品が、今は部品にもよりますが、半年から1年位かかります。コロナ前の通常の状態だと、弊社の場合は、お客様によって、建物の条件や運ぶ荷物の条件が異なるので、受注生産をしています。注文をもらってから設計して、部品を手配して、組み立てをして、出荷して、お客様の現場で据付をして、引き渡しをしています。
以前は注文から引き渡しまで3~4ヶ月でしたが、それが今は機種にもよりますが、8ヶ月~12ヶ月かかり、以前の2~3倍の時間がかっています。お客様によっては、部品がなかなか入らないことを理解していただいて、早めに注文いただけるようになっています。納期を確保していただけるお客様ばかりではないため、納期が他社の方が早ければそちらにするというお客様もいます。Q(品質)・C(コスト)・D(納期)の「D(納期:Delivery)」で負けることもやはりあります。社内の部品は在庫しているものもありますが、納期で問題となっているのは電気部品で、これは日本製の部品ですが、その一部の部品は、半導体は海外生産ですし、ハーネスやコネクターとか樹脂の部品は海外生産だったりします。
あとは、コンテナ不足の問題が最初ありました。海外の部品が日本に入ってこないことで、日本で作っている製品が最終製品にならなかったこともありました。電気部品が入ってこない状況は今もまだ続いています。
――今後も半導体不足等の問題は続きそうですか。
少なくとも今年秋ぐらいまでは続きそうです。弊社でも、標準製品で標準機種の標準部品だったら、年間どれぐらい使うのか事前にわかっているため、納品したら100%買い取るという条件で、常に1年分ぐらい注文しています。注文してもすぐに入るわけではないので、実際に入って来たものを、注文いただいている物件に常に割り振っています。コロナ前程の短納期では入ってこないので、8~12か月ぐらいお客様に待っていただいている状況です。
――SDGs・人手不足(2024年問題)に関連した取り組みや対応事例について教えてください。
「SDGs:Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)は最近、中学生でも学校で習っているかと思います。SDGsができる前は、「MDGs」(ミレニアム開発目標)がありました。2015年に国連サミットで、MDGsに代わって持続可能な開発目標「SDGs」が採択されました。SDGsは大きな目標が17個あるのと、その下に169の具体的なターゲットがあります。
弊社は2020年7月、新しい事業年度に入る時に、SDGsの目標をたてました。SDGsは企業経営そのものが問われることと、弊社が提供する製品やサービス、双方に関わる項目があり、17の大きな目標と169の具体的なターゲットのなかで、弊社は8、9、12、13番、この課題解決に貢献することを、SDGsの全社目標として掲げました。
企業経営そのものに関わる具体的な所でいいますと、2030年までに達成する全社目標として、1)示野本社(石川県金沢市示野町)および白山工場で使用する電力の30%を再生可能エネルギーに切替えること、2)示野本社および白山工場の社有車、各出先拠点で営業・据付・アフターサービスで使用する社有車50台程すべてをHV(ハイブリッド自動車)またはEV(電気自動車)に切替えること、3)弊社が提供する製品やサービスに関わる所ですが、シャトルおよびクリーンを除く大型オートレーターの『起動電力アシストシステム(VEAS)』搭載比率を50%までに上げることを、掲げています。
目標を立てた時のVEASの搭載比率はどれぐらいかといいますと、2020年に目標を立てた時は30%ぐらいでした。これを50%までに引き上げようという目標を立てて、今現在は約40%ぐらいです。オートレーター(大型)は年間200~300台、国内外に納入していますが、今搭載比率が40%くらいなので、80~120台ぐらいはVEAS付きのものを納入しています。海外のお客様にも少し納めています(台湾に4台、中国に1台)が、電気代は外国の方が日本よりも安いのです。VEASをつけることによって、当然初期コストは上がってしまいます。電池の値段がまだ高く、費用対効果が見合うかどうかは、日本のお客様に関しては海外よりも電気代が高く、今後さらに電気代が上がる見込みなので、使用している間に費用対効果が出ます。海外は電気代が安いので、費用対効果でいうとペイしにくいのです。ただ、興味持って導入していただくお客様もいます。
仕分け搬送システムの所で説明したのですが、弊社の『バラ物自動仕分けシステム(PAS)』について、作業されている方は圧倒的に女性が多いのです。また、障害者雇用は今、法定雇用率が2.3%で、これが2026年7月には2.7%に上がっていきますが、障害者雇用に使っていただいているお客様もいます。仕分けするのに人を導入しなければならないのですが、仕分けが終わった後も、出荷箱に詰める作業もあります。このお客様は食品関連のお客様ですが、出荷箱に入れて出荷のコンベヤに供給する作業を、車いすの方が実施されています。
――障害者の方が作業出来るような仕分け機・システムの設計をされていますか。
お客様より要望をいただき、障害者の方でも作業出来るような設計をしています。車いすでコンベヤの所まで行けるようにしたり、出荷箱の置台を車いすの方でも使いやすいような設計にしています。
仕分け機の作業者は女性の方が多いので、投入作業エリアは女性の方でも使いやすいテーブルの高さにしています。あとは、仕分け機のサンプルテスト機が工場の中にあり、お客様によっては、自社の荷物のバーコードが読めるのか、使いやすい設計なのか、女性社員が参加してテストをしたり、実際に荷物を持ってきて、搬送機のテストをするお客様もいます。
――人手不足(2024年問題)に関連した取り組みや対応事例について教えてください。
ダイフクの社長である下代さんが、MH(マテハン)メーカーが所属する団体である、日本物流システム機器協会(https://www.jimh.or.jp/)の会長をされていて、1月には交流会でダイフクの下代社長やオークラ輸送機の大庫社長、村田機械の村田社長とか色々な方と会ってお話していますが、人手不足や働き方改革は私たちの業界にとって、追い風の要素ではあると思います。
人手不足への対応というのは、日本全体でいうと、解決方法は2つぐらいしかなくて、1つは可能な限り機械化をすることと、もう1つは技能実習生を含めた外国人労働者を雇うことです。今は外国人労働者が入国できますが、以前はコロナの影響で技能実習生は日本に入れませんでした。コロナによって、対面で物を買わずにEC(電子商取引)で物を買うようになり、ECでの物量が物凄く増えて、当然、業界の人手不足により、自動化/効率化したいというニーズが増加しています。国内の設備投資金額はコロナ渦でも全然落ちていないのです。「製造から小売までのサプライチェーンの自動化・効率化に貢献する」ことは弊社の企業使命でありますし、私たちが提供する製品やサービスの話にもつながってきます。
人手不足への対応について、最近「女性労働力の活用」と言われていますが、弊社の『バラ物自動仕分けシステム(PAS)』は圧倒的に女性が使うことが多いので、女性の活躍、女性の方でも使っていただけるような製品・サービスを提供することが、解決策の一つとなっています。
私たちのような機械製造業というのは、女性の社員比率が低いのは共通した課題だと思います。というのは、理系の女子学生は少なく、機械工学部とか電子工学部とかで女性の大学生が少ないという事情がありますが、弊社自身の話でいうと、2013年に社長就任した時の女性社員比率は15%ぐらいでしたが、今は19%ぐらいまで上昇しました。
――女性でも営業マンになれるような社会になってきたのですか。
まだ少ないですが、弊社では最近は女性の営業職が毎年入社しています。女性でも十分営業マンになれます。弊社の場合では、据付現場に行ったりしないといけないので、ヘルメットを被るのが嫌とか安全靴を履きたくないとか言われたらどうしようもないのですが、据付現場に行けるのであれば、全然問題はありません。女性の営業マンは優秀だと思います。
弊社の商品でも、作業者が女性の方が多い製品もあるので、女性の目線で、使う人の立場に立って提案するとしたら、女性の営業マンもいいと思います。男性と女性とで、見える目線は変わってくるので、両方の目線がある方がいいのです。女性社員比率は19%まで上がりましたが、石川県の労働局に対しては女性の社員比率20%を目標にすると提出しています。昨年2月には5人、今年2月にもひとり、係長職の女性社員をつくることができました。一般的に管理職を課長以上とすると、まだ1人もいなくて、6人の係長職の中から1人でも2人でも、早く課長になってくれればいいなと思っています。
私が社長に就任した時には、弊社に女性の主任職もいなかったのです。主任を作って、係長を作って、管理職候補となる女性社員をつくるまでに10年かかりました。社員教育については、弊社ではビジネスコンサルタント社の社員研修を20年以上実施しています。最初は営業研修を実施していただきましたが、現在は主任・一般職の若手社員研修、管理職研修、部署ごとに営業の研修やCS部(アフターサービス)など、階層別の研修を毎年実施しています。
今は女性社員だけの研修もやっています。ビジネスコンサルタントの先生も女性で、6年前ぐらいにも同じ先生の研修を1度実施しました。毎年毎年、女性社員が新しく入社してくるので、今回6年ぶりぐらいに2回目の女性社員研修実施しました。
――物流に関して、業界全体で取り組んでいることについて教えてください。
これも今、JIMH(日本物流システム機器協会)の会合があって各社の経営者の方とお話をしていますが、どこに聞いても暇だという会社はありません。以前は違いましたが、マテハンメーカー1社で全ての物流自動化機器アイテムを持っている会社は1社もありません。弊社で言えば垂直搬送システムと仕分け搬送システムなのですが、限られた経営資源の中では、自分たちの強みとする所に経営資源を特化する必要があります。それはダイフクさんにしてもオークラ輸送機さんにしても村田機械さんにしても同じで、今はそれぞれ自社の得意な所に自分たちの経営資源を集中させ、得意でない部分は他社の物を買ってきて納めています。
例えば、弊社は自動倉庫を持っていないので、自動倉庫の話があったら、ダイフクさんの物を買ってきたり、西部電機さんの物を買ってきたりしています。逆にダイフクさんや西部電機さんは、垂直搬送機を自社で持っていないので、弊社の『バーチレーター』や『オートレーター』を使ってもらったりしています。お互いに売り買いがあり、競争することもあるし、協調もするような業界なのです。そうしないとお客様のお困りごとに全部対応できないのです。1社で全部対応できる会社はほとんどないのです。
――海外の顧客へはどのように対応されていますか。
弊社の場合海外は、ほとんどがアジア圏です。現地法人を設置しているのは、韓国のソウルと中国の上海です。それ以外の台湾やASEAN(東南アジア諸国連合)について、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、タイへは出張ベースで対応しています。弊社の商品は売って終わりではなく、アフターサービスも当然必要になってくるので、コンベヤの販売だけでなく、据付工事もできて、アフターサービスもできるパートナー企業が1つの国に1社以上あります。
――パートナー企業は特にどこの国に多いのですか。
韓国はホクショーのソウル支店を作ったのが平成8年(1996年)、現地のパートナー企業との合弁に切り替えたのが平成16年(2004年)、現地法人にして20年近くたっています。ホクショーKOREAは、コンベヤを全部日本から買っているかというとそうではありません。垂直搬送機と仕分け機に関しては弊社の物のみの取り扱いで、弊社が金沢港から釜山港に出荷しています。それ以外の物はヨーロッパのメーカーの自動倉庫を買ったりする等、いろいろな国の機器を扱っています。現地で据付工事やアフターサービスを実施していますが、ホクショーKOREAが弊社の取引先で、ホクショーKOREAから仕事をもらって、コンベヤを納入しています。その他の納入先としては、中国と台湾が多いです。
ASEANでいうと、ベトナムがあります。ベトナムは平均年齢が若くて、日系企業の進出が多く、製造業が多くあります。日本国内のスーパーゼネコンや準大手のゼネコンは、ホーチミン市にオフィスを設置しています。日本の会社が工業団地を開発したりしているのです。ここ数年でいうと、SMC(空気圧制御機器メーカー)さんの工場の仕事をさせてもらったり、ベトナムの味の素さんの工場にコンベヤを納入したりしています。
――業界全体的にベトナムに進出している会社は多いのですか。
メーカーで工場やオフィスを持っている会社は少ないと思いますが、導入実績はアセアンの中ではベトナムは今一番コンスタントにあるのではないかと思います。人件費が上がっている所は機械化するニーズがあるのです。中国は人件費上がっているし、韓国は日本よりも少子高齢化が進んでいます。日本も働き方改革関連法案で残業時間の規制されていますが、韓国でも残業時間の規制がされています。そうすると、機械化ニーズが増えてくるのです。
――韓国では、どのような物流になっているのですか。
日本と韓国とでは物流形態が違う所があります。日本は卸、中間流通がありますが、韓国では中間流通がほとんどありません。韓国では、メーカーが自社で小売向けの流通を行っていることが多いのです。
――お忙しい中、長時間にわたるインタビューにご協力いただき、ありがとうございました
(聞き手:サカタウエアハウス株式会社 営業開発部)
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