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インタビュー

第496号 ロジレビュー・インタビュー ~三本 勝一氏(株式会社プラネット)~ (2022年11月22日発行)

■はじめに

  7月から配信を開始しました、楽々ゼミナール参加者へのインタビュー、第4回は株式会社プラネットの三本(みもと)様です。楽々ゼミナールへの参加を通して感じられたことや、物流に関する質問にお答え頂きました。

楽々ゼミナールとは:サカタウエアハウスが2019年より、化粧品・理美容業界、電機・電子機器業界の方々を中心として企画・開催している研究会。講師、研究会メンバー間での交流、情報交換、知見向上、ならびにネットワークの拡充を行う場を提供することを目的とし、2022年10月までに7回開催(年2回開催)、流通環境の変化、SCM、フィジカルインターネットなどをテーマとして取り上げ、講師からの講演、研究会メンバーでの意見交換を行っている。

→過去のセミナー/インタビュー記事はこちら

■ご紹介

株式会社プラネット
1985年に化粧品日用品業界の主要メーカーが出資し設立し、日本初の業界特化型のEDI(電子データ交換)のサービスを開始。同社が提供するEDIプラット―フォームは現在、ペットフード・ペット用品業界、OTC医薬品業界にも採用され、消費財流通の情報インフラとして機能している。
参照:株式会社プラネット ホームページ

法務・コンプライアンス室
シニアマネージャー
三本 勝一 氏

化粧品メーカーでのシステム担当を経て、1999年に株式会社プラネットに入社。入社後、EDIのシステム企画、ユーザー対応を担当。当時の理美容化粧品業界でのEDI標準化会議にも参加。約5年前から内部統制評価を担当。

楽々ゼミナールには第1回からご参加頂いています。

■インタビュー

―― プラネット様と物流業界の接点を教えてください。
弊社はメーカー様、卸売業様間のEDIをメインで行っていますが、EDIの中には商流のデータだけでなく物流のデータもあります。事前出荷案内(ASN)のデータなど。そういった点が物流業界との接点になると思います。

―― これまでの楽々ゼミナールで関心を持たれたテーマはありますか?
理美容化粧品業界でのEDI標準化に最初から関わっていましたので、関心があります。弊社は化粧品日用品業界での物流標準化に携わっていますので、貴社(サカタウエアハウス)が得意とする理美容化粧品業界でも同じように標準化が検討されてもいいのかなと思います。

―― 化粧品日用品業界での物流標準化について詳しく教えてください。
2020年2月に弊社ホームページのニュースリリースで発表(https://www.planet-van.co.jp/news/2020/1712)の通り、物流領域のEDI標準化を目指し、ロジスティクスEDI概要書を策定しました。策定には化粧品日用品メーカー様もご協力頂き、同概要書には業界の標準的な物流業務・情報の流れに加え、将来予想される物流業務の流れも記載しています。
2021年1月にバージョンアップを行い(https://www.planet-van.co.jp/news/2021/1939)、メーカー様や卸売業様で想定される対応パターンの組み合わせ例や、運用想定、導入ステップ案を追加しています。
その後2022年1月に、公益財団法人 流通経済研究所※1様と日用品における物流標準化ガイドライン(https://www.planet-van.co.jp/news/2022/2269)を取りまとめました。流通経済研究所様と弊社がワーキンググループの事務局となり、化粧品日用品メーカー様と物流事業者様も参加頂き、外装表示や荷姿の標準化などのガイドラインを取りまとめました。

―― プラネット様が提供されるサービスで、今後の展開について教えてください。
今年の3月に、株式会社True Data様と業務提携を行い、POSデータクレンジングサービスを共同で開発し、サービスとして提供することを発表(https://www.planet-van.co.jp/news/2022/2304)しました。True Data様はID-POSなどによる消費者データ分析、購買行動分析ソリューションを開発、提供している会社です。
POSデータは小売業ごとにフォーマットが異なるため、業務負荷となっているデータを整える作業をシステムで支援するという内容です。作業の効率化はもちろん、整えたデータをAI分析やDXにつなげることが可能です。メーカー様ではマーケティング、製造計画にも活用できます。ID-POSは消費者属性(年齢層や性別)まで分かるので、POSデータよりもっと高度なマーケティングに活用できます。

また今年の4月に発表(https://www.planet-van.co.jp/news/2022/2362)されたのですが、GS1 Japan(一般財団法人 流通システム開発センター)様、株式会社ジャパン・インフォレックス様、弊社にて、業界横断的な商品情報のレジストリーの構築を進めていくこととなりました。GS1 Japan様は事業者コードの附番等を行っている団体で、ジャパン・インフォレックス様は食品業界の商品データベースを運営しています。弊社は化粧品日用品業界にEDIサービスや商品データベースを提供していますので、三者が共同で取り組むことで国内最大の日本型の商品情報レジストリーとなります。
GS1 Japan様は国際的な流通システム標準化機関「GS1」に加盟していますので、国際ルールに則って日本でも一元的なものが出来ると思っています。
弊社商品データベースへ登録いただいた情報を元に、弊社では2009年から化粧品日用品メーカー様から今後発売される製品情報を集約した新製品カタログを年2回(春と秋)発行しています。
それまで大手卸売業様各社は、大変な労力をかけて自社で新製品カタログを制作し、小売業様のバイヤー様に届けていました。各社の新製品カタログは掲載商品や掲載内容がほぼ変わらず、冊数だけが溜まっていく状況の中、カタログを制作する卸売業様の労力や、紙資源を削減したいとの課題がありました。
ある卸売業様の経営者様からご相談があり、2年かけて大手卸売業様各社と調整した結果、新製品カタログは業界で1冊に集約することができ、その役割を弊社が担っています。
現在では、Webカタログも提供していますので、より多くのシーンでご利用いただけていると思っています。
今年7月に発行した2022年秋冬号(https://www.planet-van.co.jp/news/2022/2440)は、82社1,612アイテムを掲載しており、28冊目の発行となりました。

―― 多数の企業とのお取引があるプラネット様ですが、取引先企業に向けた取り組み、もしくは取引先企業と一緒に取り組まれていることがあれば教えてください。
先ほど紹介した、ロジスティクスEDI概要書は取引先企業様と一緒に取り組んでいます。業界全体への展開はまだですが、いまは一部有志の取引先企業様と取り組んでいます。もちろん標準化に関しては、メーカー様・卸売業様両方の承認をとって進めています。

―― ロジスティクスEDI概要書のように標準化を検討する際は、メーカー様、卸売業様、プラネット様、どこから声が上がりスタートするのですか?
前述の新製品カタログは卸売業様からでしたし、ロジスティクスEDIはメーカー様からご要望をいただきました。課題を抱えている企業様からお声がけいただかないと、スムーズに検討が進みません。物流に関する標準化は荷主であるメーカー様が動いて頂かないと難しいでしょうね。そのような課題を抱えている企業様からご要望をいただき、弊社は中立的な立場で業界全体の課題を解決するお手伝いをさせていただいています。

―― 興味深いお話しありがとうございました。今後の楽々ゼミナールでプラネット様での取り組みについてぜひお話し頂きたいと思いました。
私はEDIの担当から変わってしまっているため、担当者を呼んで話してもらうことになりますが、その際はご連絡ください。

※1 流通経済研究所 昭和38年に任意団体として発足し、昭和41年には財団法人に改組、平成25年には現在の公益財団法人 流通経済研究所として新たにスタート。設立以来、流通・マーケティング分野において社会に貢献することを目的に研究調査活動を展開。
参照:公益財団法人 流通経済研究所 ホームページ

(聞き手:サカタウエアハウス株式会社 営業開発部)

以上




(C)2022 Katuiti Mimoto & Sakata Warehouse, Inc.

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