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第480号 GS1事業者コード登録更新制度改定について(2022年3月22日発行)

執筆者  岩崎 仁彦
(GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)
コード管理部 業務企画グループ 主任研究員)

 執筆者略歴 ▼
  • 略歴
    • 世界110以上の国・地域が加盟し、サプライチェーンの効率化をめざしているGS1標準の動向調査や普及活動に従事
    • 国際部、グロサリー業界グループを経て、現在は業務企画グループにて管理業務のオペレーション効率化やシステム企画を担当

 

目次

  GS1Japan(一般財団法人流通システム開発センター)では、2021年8月からGS1事業者コード(注1)の登録更新制度を改定しました。本制度改定は、1978年のGS1事業者コード登録更新制度の開始以来となる全面的な見直しとなります。本稿では新制度の概要と新制度開始後よせられた、質問とその回答を中心に紹介します。なお、GS1事業者コード登録更新制度改定の詳細に関しては、本ロジスティックス・レビュー第417号(2019年8月8日発行) (注2)または、GS1JapanのWEBページを参照いただきたい。

(注1): GS1事業者コードは、GTIN(注3)やGLN(注4)などの国際標準の識別コード(GS1識別コード)を設定する際に必要となる番号です。GS1事業者コードにさまざまな番号を組み合わせることにより、各種のGS1識別コードを設定することができます。詳細は以下のWEBページを参照いただきたい。
https://www.gs1jp.org/code/jan/about_jan.html

(注2): 第417号では2021年5月から制度改定を実施すると記載されているが、新型コロナウイルスの感染拡大により案内・告知が十分にできていない状況が続いていたため、制度改定の開始時期を 2021 年 8 月に変更しました。詳細は以下のプレスリリースを参照いただきたい。
https://www.gs1jp.org/assets/img/pdf/newsrelease_2020PR01.pdf

(注3)GTIN(ジーティン)はGlobal Trade Item Numberの略で、JANコードの標準タイプ(GTIN-13)、短縮タイプ(GTIN-8)や集合包装用商品コード(GTIN-14)など、商品・サービスに対して設定するGS1標準の商品識別コードである。事業者(ブランドオーナー)が、当財団から貸与されたGS1事業者コードを用いて、商品ごとに設定する。詳細は以下のWEBページを参照いただきたい。
https://www.gs1jp.org/standard/identify/gtin/

(注4)GLN(ジーエルエヌ)はGlobal Location Numberの略称で、企業などの事業者自身や部署または、当該事業者の事業所などの場所(ロケーション)に対して設定するGS1標準の識別コードです。事業者が、当センターから貸与されたGS1事業者コードを用いて設定します。詳細は以下のWEBページを参照いただきたい。
https://www.gs1jp.org/standard/identify/gln/index.html

1.制度改定の背景

  近年、社会のデジタル化、IT化が急速に進展し、ビジネスの形態を問わずインターネットを活用した取引が大きく拡がってきています。それに比例し、企業間や企業・消費者間でやりとりされる情報量も飛躍的に増加しており、従来よりも「正確」な情報の必要性とその価値が増大しています。

1.1 ネット取引と共に拡大するGTINの利用
  例えば消費財分野 においてもネットを通じた販売が大きく拡がり、膨大な種類の商品が国や地域の枠を越えて流通、販売されてきています。そのため、これら商品の一つひとつを正しくユニークに識別するGTINの利用が、益々不可欠になっています。
  商品の識別にとどまらず、GTINを付けた事業者や商品の属性を確認するための、正確で信頼性の高い情報も求められてきています。例えば商品にGTINをつけている事業者は誰か、GS1事業者コードやGTINはGS1からその事業者へ正規に貸与されたものか。あるいは、GTINは商品の内容や特性に応じてGS1標準に従って正しく付番されているか。こうした情報を、商品を取り扱うすべての事業者が、必要な時にいつでも確認、利用することができる態勢が求められています。

1.2 GS1としてルールやサービスを見直し
  これまで当財団をはじめ各国のGS1加盟組織では、事業者に対するGS1事業者コードの付番や管理などの役割に重きが置かれ、GS1事業者コードを基に作成するGTINなどの具体的な識別コードの付番や管理については、その多くが事業者にゆだねられてきました。しかし、GTINの利用がネットを通じて世界の隅々に拡がる今日、将来にわたるGS1標準のより正確で安定的な運用や、利用者に対する一層の利便性向上が、GS1に求められてきています。
  このため現在GS1では、GS1事業者コードやGTINなどがGS1標準ルールに則ってより効果的に利用されるよう、これらの情報を世界で一元的に管理し参照を可能にする国際的なデータベースサービスの提供に向けて準備を進めています。今回の改定は、このGS1の動きとも連動した内容となるものです。

2.登録更新制度改定のポイント

ここからは以下の3点の概要と、これまでに寄せられた代表的な質問及びその回答を紹介します。
●GS1事業者コードの登録更新手続きを3年ごとから1年ごとに変更
●GS1事業者コードとして貸与する桁数に10桁を追加
●GS1事業者コード・短縮タイプの貸与ルールの変更

2.1 GS1事業者コードの登録更新手続きを3年ごとから1年ごとに変更
<主な改定のポイント>
●登録更新サイクルを 1年ごとの更新もしくは、登録内容確認に変更
●登録申請料および更新申請料の支払いに関して、1年払いと3年払いの選択制を導入

  変化のスピードが益々速まっている事業活動に対応して、GS1事業者コード登録更新手続きを、GS1各国の情報管理水準に合わせて1年ごとに変更いたしました。
  GS1事業者コードに関わる情報がよりタイムリーに更新されることにより、GS1事業者コードやGTINなどの正確性や信頼性が高まり、GS1標準の変更にもスピーディに対応可能になるなど、事業活動の円滑化が期待されます。また、登録申請料および更新申請料は、従来の3年払いに加えて、新たに1年払いの選択が可能となり、事業活動に合わせてより柔軟でムダのない登録更新手続きとなりました。

図1 登録更新手続き、3年ごとから1年ごとへ変更イメージ
*画像をClickすると拡大画像が見られます。

<代表的なこれまでに寄せられた質問とその回答>
Q:何故登録更新サイクルを 1年ごとの更新もしくは、登録内容確認に変更したのですか。
A:1年ごとの更新にすることにより、GS1事業者コードに関わる情報がよりタイムリーに更新され、GS1事業者コードやGTINなどの正確性や信頼性が高まります。また、GS1標準の変更にもスピーディに対応可能になることが期待されます。他国においても、多くの国で1年ごとの更新となっております。

Q:申請料を毎年支払う必要がありますか。
A:登録申請料および更新申請料の支払いは、3年払いと1年払いのいずれかを選択可能です。

Q:GS1事業者コードをすでに登録、利用しています。 2021年8月より、一斉に、1年更新に切り替わったのですか。
A:いいえ。GS1事業者コードを登録済の事業者は2021年8月以降に更新時期を迎える登録事業者(2021年10月以降が有効期限の登録事業者)から“順次”1年更新に切り替わります。詳細は、私はいつから新制度に切り替わるの?
https://www.gs1jp.org/code/jan/jan_rules/jan_when.html)も参照ください。またすでにGS1事業者コードをご利用の皆様には、個別に詳細資料を郵送にて“順次“発送しています。

Q:私は何時更新時期を迎えますか。
A: GS1事業者コードの有効期限の約2ヶ月前に、当財団から更新手続きの案内書類(更新申請書含む)が郵便で届きます。
現在利用中のGS1事業者コードの有効期限の確認方法は、「GS1事業者コード登録通知書」に記載されている有効期限で確認できます。

図2:「GS1事業者コード登録通知書」見本
*画像をClickすると拡大画像が見られます。

Q: 「GS1事業者コード登録通知書」が見当たりません。
A:新規登録完了後または更新手続完了後にコード管理担当者に郵送しています。再発行の手続きはこちら
(https://www.gs1jp.org/questionnaires/detail/2a48551c-4075-46e2-a4f2-e73e22f89f87
よりお願いします。

2.2 GS1 事業者コードは既存の 9桁、7桁に加えて 10桁の貸与を開始
<主な改定のポイント>
●GS1 事業者コードを新規登録する事業者で、向こう3年間の商品アイテムコードの利用予定が100アイテム以下の事業者には、10桁GS1事業者コードの貸与を開始

  これまで当センターでは、事業者が必要とする商品アイテム数に応じて、9桁(または一部7桁)のGS1事業者コードを貸与してまいりましたが、2021年5月以降はこれに加えて、10桁のGS1事業者コードの貸与も開始いたしました。
  これにより、近年のネット販売の普及などに伴って急増している商品アイテム数が少ない小規模事業者などにおいても、より適切な桁数によるGS1事業者コードの貸与が可能となり、コード資源の有効活用の促進が期待されます。

図3 GS1事業者コード別のGTIN(注3)設定例
*画像をClickすると拡大画像が見られます。

<代表的なこれまでに寄せられた質問とその回答>
Q:なぜ10桁のGS1 事業者コードの貸与を開始したのですか。
A: 近年のネット販売の普及などに伴って、アイテム数が少ない小規模事業者などが急増しています。より適切な桁数によるGS1事業者コードの貸与を可能とすることにより、コード資源の有効活用の促進が期待されます。

Q: GS1 事業者コード新規登録する事業者は、必ず10桁のGS1事業者コードが貸与されますか。
A:いいえ、向こう3年間の商品アイテムコードの利用予定数が100アイテム以下の事業者に限られます。101アイテム以上利用予定の事業者には、従来通りの9桁のGS1事業者コードが貸与されます。

Q: すでに利用している既存の9桁および7桁のGS1事業者コードは利用できなくなりますか。
A:いいえ、引き続きご利用できます。

Q: すでに利用している既存の9桁および7桁のGS1事業者コードを10桁に変更する必要がありますか。
A:いいえ、ありません。

Q: GTINジーティン(JANコード)の桁数が変更になるのですか。
A: いいえ、従来のまま変わりません。

Q:今回の変更はPOSレジに影響が出ますか。
A:POSレジは、GTIN(JANコード)の単位(13桁または8桁)で情報管理されているので、影響ありません。

2.3 GS1事業者コード・短縮タイプの貸与ルールの変更
<主な改定のポイント>
●有効期限が2021年10月以降で新制度に切り替わった事業者から、短縮タイプのバーコードの取得を希望する場合には、1商品アイテムごとにGTIN-8ワンオフキーを貸与
●GTIN-8ワンオフキーを取得する事業者は、GS1 Japan Data Bankへ商品情報の登録が必須に

  現在GS1では、サイズの小さな商品に使用する短縮タイプのバーコード(GTIN-8)については、特にコード資源が限られていることから、1商品アイテムごとに8桁のGTIN-8ワンオフキーを1コードずつ貸与する方式へルールを変更しています。
  これまで当センターでは、一定条件のもと短縮タイプのバーコードの必要性が認められた事業者には、6桁のGS1事業者コードを貸与してまいりましたが、2021年5月以降は国際ルールに合わせて、1商品アイテムごとにGTIN-8ワンオフキーを貸与する方式へ変更いたしました。
   なお、標準タイプのバーコード(GTIN-13)は、縮小(注5)することにより、短縮タイプのバーコード(GTIN-8)とほぼ同程度のサイズに小さくすることが可能です。
   今後は可能な限り、GTIN-8に代えて、GTIN-13のご利用をお願いいたします。

(注5)当センターのWEBページ「標準タイプ(13 桁)のバーコードを小さく印刷する方法」を参照下さい。
https://www.gs1jp.org/code/jan/application_other/index.html

*画像をClickすると拡大画像が見られます。

<代表的なこれまでに寄せられた質問とその回答>
Q: なぜ商品アイテムごとに8桁のGTIN-8ワンオフキーを1コードずつ貸与する方式へ、ルールを変更したのですか。
A: GS1の国際ルールに合わせるためです。GS1では、サイズの小さな商品に使用する短縮タイプのバーコード(GTIN-8)は、コード資源が限られていることから、1アイテムごとに8桁のGTIN-8ワンオフキーを1コードずつ貸与する方式となっています。

Q:すでに利用している既存の6桁のGS1事業者コード・短縮タイプは利用できなくなるのですか。
A: いいえ、既存の6桁のGS1事業者コード・短縮タイプの更新手続きを行って頂く限り、現在使用しているコードは、そのまま利用できます。

Q:すでに利用している既存の6桁のGS1事業者コード・短縮タイプを更新する際も1アイテムごとに更新が必要ですか。
A: いいえ、既存の6桁のGS1事業者コード・短縮タイプは、引き続き6桁のGS1事業者コード単位での更新となります。

Q:GTIN-8ワンオフキーの申請条件はありますか。
A:以下の条件を共に満たす必要があります。
条件1:既に標準タイプのGS1事業者コードを登録済みであり、そのコードが有効であること。
条件2:対象商品が以下の3つの条件のいずれかに該当している。

*画像をClickすると拡大画像が見られます。


Q: 短縮タイプのバーコード(GTIN-8)の申請にあたって、対象商品の名称が必要とのことです。まだ商品名が決まってない場合はどのようにすればいいですか。
A:仮の商品情報で申請可能です。

Q: GTIN-8ワンオフキーは1度の最大何個まで申請可能ですか。
A: 10個(コード)です。11コード以上必要な場合は、複数回申請をお願いします。

  以上、新制度の概要と新制度開始後よせられた質問とその回答を中心に紹介したが、新制度発足に伴い、詳細はホームページで確認頂きたいが、料金体系も改定されている。
  新制度開始後の状況としては、新規申請では、約4割を超える事業者が1年払いを選択しており、既存の事業者でも更新時に、従来の3年払いから1年払いに変更する事業者も出てきている。また、付番予定アイテム数の少ない事業者向けの10桁GS1事業者コードの貸与も多くなっている。
  なお、2019年6月27日のプレス資料にて、事業者に対して13桁のGLNを1コードずつ貸与する「GLNワンオフキー」の貸与について発表。2020年9月9日のプレス資料にて、その運用開始時期を、2022年5月以降(予定)と発表していた。しかしながら、GLNの再利用停止などGS1のルールの見直しや、国内でもコードの標準化の機運が高まりつつあることから、将来、GLNの利用場面が広がる可能性がある。はじめは1~2個程度のGLNで十分でも、その後追加が必要となり、「GLNワンオフキー」ではかえって使い勝手が悪くなるおそれが出てきたため、検討の上、GS1事業者コードを基にしたGLNの設定、利用が、事業者にとって最も望ましいという結論に至り、GLNワンオフキー・13桁の貸与に向けた整備を中止することとした。

以上



(C)2022 Yoshihiko Iwasaki & Sakata Warehouse, Inc.

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