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WSセミナー

第170号価値提供型SCM革新で競争優位を実現する(中編)(2009年4月21日発行)

執筆者 菅田 勝
株式会社ロジスティクス革新パートナーズ 代表取締役
物流効率化アドバイザー(中小企業庁)
エコアクション21審査人(環境省)
環境カウンセラー( 〃 )
グリーン物流PS会議 政策企画委員会 委員
リコーロジスティクス株式会社 クオリティー(KAIZEN)アドバイザー
    執筆者略歴 ▼
  • 略歴
    • 大阪府立大学工学部経営工学科卒業、㈱リコー入社。
    • 社長室経営企画担当課長、英国製造会社取締役、研究開発本部本部長室長を歴任。
    • リコーロジスティクス㈱経営管理本部副本部長、三愛ロジスティクス取締役を経て、
    • 現在クオリティー(KAIZEN)アドバイザーに就任。
    • また、自身でコンサルティング会社を設立し、業務改革、教育研修、講演など活躍中。
    • (社)JILS 日本ロジスティクスシステム協会委員・講師、経産省/国交省”
    • グリーンP パートナーシップ会議”広報企画WG委員。
    • 著書に「ロジスティクス管理2級(中央職業能力開発協会)」他 がある。

*サカタグループ2008年5月20日「第13回ワークショップ」の講演内容をもとに編集しご案内しています。
*今回は3回に分けて掲載いたします。
前編(2009年4月9日発行 第169号)

目次

3.競争優位のロジスティクス(事例紹介)

3-4.B→C機能組合せ 利便性提供ロジスティクス

①ヤマトクロネコメール便コレクト


  輸送の高付加価値化事例として、引き続き、ヤマト運輸さんの例をご紹介します。私はヤマトさんの宣伝を買って出ている訳ではないですよ。要は、私達リコーロジスティクスがやってきたアプローチと非常によく似ているということで、当該会社はまず生き残るだろうと思って、ご紹介したいと思います。
  これは最近出たメール便コレクトです。皆さんもご存知の方がおられると思いますが、配送するということだけでなく、上流工程での印刷やお届けした後のお金の回収、所謂ファイナンス機能ですね、代引で回収してくる。或いはコンビニに持って行って振り込んでいただけたら、振り込んでいただいてから、5日目には、その金額を荷主に全額お渡しするというサービスです。今どれだけお金が振り込まれているかということも、リアルタイムで情報提供できるのだそうです。そういうことをやろうとしている訳ですね。そうすると、おわかりいただける通り、メール便は1冊80円なのですが、例えば、代引回収をやると190円貰えるということなのです。これは運ぶだけよりも、遥かに高付加価値をいただける輸送サービス内容に変身してきます。
②『ネコレ』買い物代行サービス(ヤマトHD子会社 ドリームクリエイト社)
  次はネコレ。これは、事業開始して、3年目~4年目に入ってきた新規事業ですね。地方在住の若い女性が、ファッション雑誌に載っている服を買いたいというニーズに対応した、買い物代行サービスです。これは消費者ニーズに合致して、スタートして3年目で黒字化したんだそうです。
  見てください。私がびっくりしたのは、1件あたりの手数料です。3,800円から15,800円。もう目がくらくらする位の金額じゃないですか!今我々B to Bで1箱運んでいくら貰えますか?情けないような金額しか貰えないですね。この事例は、こんなに貰える訳ですよ。ご注文いただいたら、少しは手が掛りますが、全国からきた注文を集めて、メーカーさん別にまとめて出せたら、極端な話、1回注文するだけで全国の希望者のものが1回で済む訳で、これで、これだけの付加価値が取れる訳です。


  これは荷主にも喜ばれて、なお且つ荷主はもうヤマトから逃げなくなりますね。言葉は悪いですが、要は荷主をバックアップして、荷主が喜んで、荷主が逃げないように囲い込みする策ですよ。
  ここに書いたのは、ヤマトさんの通販のトータルソリューションです。私が素晴らしいと思っているのは、単に運ぶという宅配便のナンバーワン企業から、通販の仕事でいろいろ支援できる部分をどんどんやる。要は、運ぶということに付随する上流や下流の仕事を、全部ワンストップでヤマトが提供してあげますよ という所なのです。これは素晴らしい付加価値発想だと思うのです。
  今日の講演では原先生からいろいろな発表がありましたけれど、是非SCMの中にこのような発想を入れて欲しいですね。実業の立場から見たら、私はこの発想の方に感心しているのです。テクニック論よりも、こういうビジネス戦略発想です。この方がずっと大事だということを申し上げたいのです。
  これは今日のテーマではありませんが、JIT BOX(ジャストイン・ボックス)のチャーター便ですね。これは路線便の深堀り型ですよね。これも間違いなく調子が良いし、生き残れると思います。
  詳細は省略しますが、皆さんご興味あったら新聞の内容を、是非調べて下さい。オンリーワンとかナンバーワンとか、或いはサービス品質アップによる差別化と言えるような内容を織り込んだビジネス展開をやらない限りは、なかなか将来的には見通しが立たないということを申し上げたかったのです。
③クレジットカード配達時なりすまし防止確認サービス(佐川急便)


  ヤマト運輸さんばかりではいけないので、今日佐川さんの方も居られると思いますので、佐川急便事例を準備しました。これも全く一緒ですね。今年3月スタートした法律(犯罪収益移転防止法)に対応し、本人確認サービスを実施しています。セールスドライバーさんが持っていった端末に、お客様が暗証番号を入れて、本人の確認が取れれば、それでOKで、その場で個人カードを手渡してくるというサービスです。これは1回200円だそうです。こちらの方が遥かに儲かりますよね。これも高付加価値輸送のビジネスですよ。
④住宅・店舗 建築現場向け配送サービス(大和物流)


  次の事例も、「これから戸建住宅が減ってくる。どうしたら良いか」との質問に、「我社はこうしてきました。貴社であればこうじゃないですかね」と申しあげたことを参考に、07年11月新聞に公表されたのです。単に納品だけではなく、取り付け施工・リサイクル・代引ファイナンスとか、簡単な範囲だと思いますがメンテナンスまでもやりますということです。要はこういったことを全部やって、戸建住宅物流に関連する広義の物流サービスをワンストップで提供していこうという取組みです。ドライバーで作業可能なものは、基本的には何でも請負い、付加価値を高めていこうとする物流ビジネスになります。
⑤関東某社 液体酸素・ヘリウムガス 配送便
  こちらの例も、相談があり、アドバイスしました。液体酸素やヘリウムガスを病院や工場・研究所等に運んでいる輸送会社です。この会社も昔は運ぶだけで、到着後充填時には営業セールスマンが立会い、自ら充填していました。その間ドライバーは運転席でラジオ聞きながら待っていて、充填終了したら、運転して帰るやり方でした。社長はその後、全員に危険物取扱免許を取らせて、且つ荷主に頼んで、商品・充填作業の教育もしてもらって、ドライバーが現地で充填までやり、そして納品書や請求書まで発行し、着荷主殿から受領書を貰って帰ってくるというサービスまでを実現したのです。
  販売会社営業マンの立会いを不要として、営業マンの仕事を代行する訳です。荷主にとっては、コストダウンになるし、新規の顧客開拓に専念できます。商物分離ですね。荷主にはコストダウン、運送会社としては収入が増えるということです。こんなサービスを提供されたら、荷主さんはもうよそに替えられないですね。こういうアプローチが、これからの時代の物流サービスです という例で紹介しました。
3-5.OA機器 SCM循環型ロジスティクス・システムの構築(リコーロジスティクス)


  これは当社の例で、左端に工場があり、右端にお客様という『SCM循環型』概念図です。
  今から約10年前まで、リコーグループは3ヶ月先生産という生産方式を採用していました。SCMではないやり方でした。3ヶ月先というと今5月ですから、8月の生産を5月10日前後に決めていました。
  それが今では、週次生産に変わりました。毎週月曜日のお昼に翌週1週間の生産量を決めるのです。そして全国5つの本部倉庫に在庫を集約し、なお且つ、最近のOA機器は大部分デジタルになっていて、受注データが工場や我々物流センターに届いて、工場や物流センターでキッティングと呼ばれる流通加工作業をしています。ソフトのインストール、カスタマイズをやっているのです。そして、マシン等は全国へ直送します。N+2というのは今日ご注文いただいたら二日後に納品します。サプライ(消耗品等)は全国半日配送をやる。それらを短いリードタイムで届けて、同時に使用済みの古い製品を回収してくるのです。衝撃やダメージを与えないで、丁寧に回収してくるということです。このように当社グループは、SCM循環型のロジスティクス・モデルを作ってきました。廃棄物が減少し、環境にも良いし、再生機はコストも安くなる場合が多く、また機器性能は変わらないということで、これは今、着実に増えてきている状況です。これから日本政府は、CO2を減らす為に、益々こういうものを奨励してくることになると思います。環境の世紀に対応できる物流サービスを創ろうということで、全国ネットで実現してきました。
我社 SCM循環型プラットホーム構築


  これは、前述の概念図をもう少し詳細化したビジネスモデルです。上半分が動脈SCMです。全国12工場から、本部倉庫5拠点を経由し、全国配送拠点80拠点を通じて、エコ輸送機関・エコ包装でお客様にお届けします。
  「受注時納品日時予約」というのは、受注契約時に、何月何日何時頃に届けて欲しいとの要望に対し、セールスマンが端末を叩いて可能か否か、お客様の前で商談しながら決定できるようにした支援システムです。「プラグインプレー」というのは、お客様向け商品へのソフトインストール・カスタマイズが工場又は流通センターにて終了しているので、お客様に到着したら電源を入れ、そしてLANケーブルに繋いだら、直に動かせるということです。エコ包装の外しも簡単ですから、5~10分間程度で、納品とセットアップが終わるのです。そして同時に、使用済み製品を回収してくる。ここにも実はノウハウがあり、ダメージを与えないようにして回収してきた後、全国にグリーンセンターが11拠点あって、ここで約100項目に及ぶ選別基準で選別をしているのです。例えば九州で回収された製品で、基準に合致する良いものは工場(再生センター8拠点というのは工場です)に送ります。基準に外れる駄目なものは、全国10拠点リサイクルセンターに送付して、分解・分別をしていくということをやっています。
  このようにぐるぐる回る中で、モノを運ぶという機能に、資源循環型のOA機器ビジネスをきちんとサポートする仕組み、つまり、流通キッティング(プラグインプレー)やエコ包装、使用済製品の回収⇒情報セキュリティー・廃棄物削減・再資源化率の向上・アセット管理等の全てをちりばめている訳です。こういうものを1セットのロジスティクス・サービスとして創っていこうということで、実施してきた経緯があります。
  尚、補足的にもう少し紹介しますが、私どもはこのエンドユーザーとの接点になる所、消費者物流と言われる所をしっかりやって、差別化して、ここで生き残っていこうとしています。当社は全国で80拠点しかありません。他社では1500拠点もある会社もある訳ですが、80拠点が生き残っていくとしたら、ユーザー接点の所で如何に高品質の付加価値サービスを実現し、差別化していくか?が、生き残りのポイントになるということを強く意識しております。
SCM循環型 ロジスティクス情報システム


  これは先ほどのビジネスモデルをサポートする情報システムです。毎日毎月大量のマシン・消耗品が回収され、選別判定されています。製品としての使命を終えた商品はリサイクルに回り、再資源化率も99%以上を実現しています。毎日全国で回収された製品類のステータス情報が全国一元的に分かるというデータベースシステムが稼働しています。
サプライ商品 全国半日配送
  サプライのネットワークとは、皆さんの事務所でコピーペーパーとか、トナーカートリッジやインクジェット・インク等をご注文いただいた時の物流サービスです。基本は、半日配送でお届けし、同時に使用済製品を回収してくるというサービスです。納品時に、いろいろな付加価値サービス(棚入れ・箱出し・トナー交換・トナー回収・在庫カウント・指定伝票発行・代引等)を、ドライバーで出来ることはどんどんやっていく方向で進めています。
回収物流~3Rリサイクル(使用済製品)ネットワーク
  前述の資源循環型ロジスティクス・システムを構築する為、全国網で、一元的な均一の回収リサイクル物流が実施出来るようにということで、資料の通り、全国ネットワーク・収集運搬免許(+積み替え・広域免許)・ISO認証92サイト・内部環境監査員・ごみゼロ物流センター等を創り上げて、全国均一の物流サービス提供に努めています。
他社事例との比較
  これは競合他社の例です。プリンター消耗品の回収率が4割位しかないところを、7割以上にするという目標でこの会社は取り組んでいますが、このモデルは、もう1回取りに行く必要がありますね。廃棄物削減の視点では悪くはないのですが、新品を持って行く時と回収の時とで、合計2回行かないといけませんね。このやり方は、環境には良くないのです。コストも余分に掛るのです。
  当社は持って行った時に、同時に回収品を回収してくるということで、それをビジネスモデルで徹底するということをやってきた経緯があります。

4.競争優位のロジスティクスの創り方

他社事例との比較


  事例はこの程度にして、これからどのようにして競争優位のロジスティクスを創っていったら良いのかについてお話します。競争戦略と言えばマイケル・ポーター教授で、その名前を冠したものが2001年にスタートして、現在17社位認定をもらっていると思います。この選定の基準について簡単に紹介したいと思います。
  ここには、他社に無い独創の価値だとか、ビジネスのバリューチェーンをしっかりしたものを作る等と書いてありますが、その通りだと思っています。そして本日ご参加の皆さんに申し上げたいのは、SCMというのは量前提のコストダウン策・効率化策だということなのです。これはITやソフトパッケージがどんどん普及充実してきた今、これを一生懸命やっても殆ど他社との差別化にはならなくなってきているのです。そして、量が減ってきたら最悪です。日本は今、もう量が減る時代に入ってきているので、SCMだけやっていて将来に期待抱いても、もう遅すぎるということを申し上げたいのです。
  一番のポイントは、これからはコストのリーダーシップではなくて、集中化をやって差別化を図っていくということです。オンリーワンを狙うということが、低成長時代の基本戦略なのです。
  この原則を外してどんな施策を打っても、実業の世界では成功しないでしょう。余程ガリバーのような企業であれば別ですが、殆どの企業はそうではない訳ですから、とても勝てないでしょう。
②進化する独創の物流サービス


  よくSCMは「PUSH-OUTモデル」と「BUY-INモデル」の2種類に代表されるといわれますが、この前者が巷で言う一般的なアウトソースなのです。私はこれからの低成長時代に、このようなアウトソースをするとしたら、受けてくれる3PL事業者は共同物流をやりますよね。確かに少しはコスト下がるけれど、特徴がないのです。コスト以外に、何の特徴があるのかということです。共同化というと、到着荷主や発荷主が喜ぶような木目細かなアプローチがなかなか採れないのです。
  私のオススメは後者(BUY-INモデル)です。但しこれは量があっての話です。ベースカーゴがあってですが、量がまとまっていれば、私は垂直統合型の方が絶対良いと思っています。要は、量がまとまって、なおかつ垂直統合型がとれるようなアプローチをやっていければ、きめ細かく色々な手が打て、荷主の競争力を上げることに貢献できる、付加価値物流を提供できるということを申し上げたいのです。
  勿論、量がなければ、一般的な前者(PUSH-OUTモデル)になります。同業者が集まって「BUY-INモデル」のやり方を採用する手もあると思います。
③価値提供 事業受託領域 今後の可能性

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  この資料は、私がメーカー出身で、生産技術もやっていた関係上、昔・現在・将来という形で、メーカーが部品原材料を調達してから、工場で加工・組み立てして、販売会社や卸業・小売業者さんに渡して、こういうステップで最終消費者に届けていくというビジネスフロー図です。
  このフロー図の中で、物流事業者が如何に担当領域を拡大してきたか?を表したのが、スライドの黄色の部分です。今から10年前位は、物流事業者が仕事としてやっていた部分(黄色)は少なく、全国にはまだ沢山の在庫拠点が一杯ありました。配送拠点も一杯あり、SCMと称し、これらを統合してきた経緯があるのです。またバツ印をつけている所は、(物流事業者が担当できる)仕事が現実にはあるのだけれど、まだ手付かずでしたね、という意味です。
  現在はどうかというと、だいぶ黄色の部分が増えてきたということです。結構(業務受託できる)やるようになってきました。でも私が今日皆さんに申し上げたいのは、このバツ印がまだ一杯あるということです。例えば工場段階でも品物の出し入れ(社内外への横持ち入出庫)がまだ一杯あるのです。さらに発荷主のDC(所謂倉庫拠点)においても、結構品物の出し入れ(横持ち入出庫)があるのです。
  私達の会社で結構優秀だと思っている拠点マネージャーでも、「菅田さん、あそこの横持ち運送取れましたよ。良かった!」と。「良かったけど、何やっているの?そこへ持って行く必要あるの?」と聞くと「知らない」と答えるのですね。調べたら、簡単な組立と検査をしてシールを貼っているだけだと。「それだったら、我々の物流センターでやってあげると、横持ち輸送が要らなくなり、荷主ではコストダウンになるはず。我々は、横持ち輸送売上は減るが、流通加工売上が増加するので、問題はない。作業方法を教えて欲しい、そしてやらせて欲しい」と提案しようとなり、これが実現できた事例があります。このように貢献領域を広げると、コストダウンを実現できるケースが数多くあり、荷主の総コストも安くなる。そうすると、長期のパートナーシップ構築に発展する可能性も高くなります。そういう所がまだまだ手がつけられていないのです。
  もう1つ申し上げたいのは、消費者物流の所です。先程事例で申し上げたとおり、モノは届いたけれどセールスマンが行かないと駄目だとか、メンテンナンスのサービスマンが行かないと出来ない等、そういった所が一杯あるのです。こういう所に手が付いていないということを申し上げたいのです。
  私が皆さんにアドバイスしたいことの1つは、このような工場の中や、物流センターの中で出来る仕事というのを、全部調べきって、内部でやってしまうということです。モノは動かさないのです。これからは「流通加工」という言葉で呼ばないで、「工場倉庫」と言いたいのです。工場が倉庫の中にあるのです。それ位の発想を持ってれば、バツ印をつけた仕事はもっと物流の仕事の中に入ってくるということを申し上げたいのです。
  アドバイスしたい2つ目は、お客様の所へお届けする、消費者物流のところです。ドライバーが代行でやってあげられる部分は、調べていくと結構あるのです。そういうことを取り込んでいくと、それはエンドユーザーの利益にもなるし、荷主さんも喜ぶことになる訳です。
  最後に、アドバイスしたい3つ目は、一番外側の黄色の回収リサイクル物流の部分です。これもまだ本格的に手がついていないということです。これは、所謂3K職場と言われますが、環境の時代で意義ありますし、こういった所までアプローチしていかないと、量が減ってくる時代下で、なかなか付加価値が取れないということを申し上げたいのです。
④物流がからむロジスティクス事業 需要創造型 例


  この資料は、今まで申し上げたような例を加えて、サマリーしたものです。紹介した事例は、左下の辺りにある建築・通販・オフィス系という所です。右側の方に赤色で書いてあるようなことも、まだ一杯あるのです。是非皆様方の所属しておられる業種・業界の中で、モノを運ぶという業務に付随する仕事の前後関係、又は上流下流で行われている業務の中に、物流業界でも出来る仕事がないか?ということを、一生懸命探されたら良いと申し上げたかったのです。探す努力をしていない、結構有るものだということをお伝えしたかったのです。
⑤独創性あるロジスティクス・サービスモデル開発


  自分の所でどのように独創性あるロジスティクスを開発するか?という時の、調査・リストアップをして、絞り込んでくる時のやり方に、このようなステップ手法があります。
  要は、市場性や競争力があるかどうかですね。これから始める訳ですから、1年2年で簡単にできない訳ですし、反面、簡単に追いつかれてもいけないということで、何でもって差別化するかということになりますね。SWOT分析をしっかりやっていただければ、この差別化ポイントが絞り込めますし、新しい仕事が見つかってくるということをお伝えしたかったのです。

※後編(次号)へつづく


(C)Masaru Sugata & Sakata Warehouse, Inc.

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