ロジスティクス・レビュー

第355号 特別積合せ運送の光と影(後編)(2017年1月5日発行)

執筆者  長谷川 雅行
(株式会社日通総合研究所 経済研究部 顧問)
    執筆者略歴 ▼

  • 経歴
    • 1948年 生まれ
    • 1972年 早稲田大学第一政治経済学部卒業 日本通運株式会社入社
    • 2006年 株式会社日通総合研究所 常務取締役就任
    • 2009年 同社顧問
    保有資格
    • 中小企業診断士
    • 物流管理士
    • 運行管理者
    • 第1種衛生管理者
    活動領域
    • 日本物流学会理事
    • (社)中小企業診断協会会員
    • 日本ロジスティクス研究会(旧物流技術管理士会)会員
    • 国土交通省「日本海側拠点港形成に関する検討委員会」委員ほか
    • (公社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」ほか講師
    著書(いずれも共著)
    • 『物流コスト削減の実務』(中央経済社)
    • 『グローバル化と日本経済』(勁草書房)
    • 『ロジスティクス用語辞典』(日経文庫)
    • 『物流戦略策定のシナリオ』(かんき出版)ほか

目次

前号(2016年12月20日発行 第354号)より

3.最近の特積み業界の動向

(1)取扱量の推移

  全体として、ここ数年間は伸長していないが、国内貨物輸送量の長期減少傾向の下では、特積み業界は健闘しているともいえよう(図4)。年末・年度末のピーク時や消費増税前の駆け込み需要時には、高運賃にも関わらず、貸切輸送からオーバーフローした大ロット貨物(2トン以上)が流れ込んでくるという異常な現象も見られる。
  ただし、国土交通省が公表している特積みの取扱量は、全事業者(約300社)ではなく、大手24社の合計である。大手24社とは、特積み事業者のうち、東京都及び近県に本社・主管支店があり、50台以上のトラックがある事業者とされ、社名は公表されていない。大手特積み事業者24社計で、事業用トラックの輸送量全体の約2%になる。また、全事業者合計は不明である。

図4 トラック貨物の輸送量(特積み)

(出所:国土交通省「トラック輸送情報」2015年6月)
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(2)事業者数の推移

  事業者数は漸減傾向にある(表1)。とくに地方路線しかない特積みが、後述する積合せ輸送や共同配送に浸食されて、事業を縮小・撤退している。大手でも、西鉄運輸(2005年撤退)の例もある。上述のように運行系統(最小限である週1便自社車両の運行)さえ維持していれば、特積みの「看板」は確保できるので、実質的には「休眠」状態にある(貸切輸送等に専念している)事業者もあると思われる。なかには、前述の安全輸送のように、貸切輸送から特積みに進出する例は少ないが皆無ではない。

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(3)運賃の動向

  特積み事業も、一般的な積合せ運送も、貨物自動車運送事業法で定められた「積合せ運賃」が適用される。1990年の物流二法制定以前は、運賃については旧・運輸省の「認可運賃」が全社一律に適用されていたが、現在では、各事業者が創意・工夫に基づいて設定・変更した運賃を、適用開始日から30日以内に届け出ること(届出運賃)になっている。
  これまでは、国土交通省が提示する運賃の範囲内であれば、原価計算書などの、運賃の「算出基礎に関する書類」いわゆる「原価計算書」の提出は不要となるので、全ての特積み事業者は国交省が提示する運賃をそのまま届け出て来た。
  この「提示運賃」は、かつての認可運賃当時から幾度か改定されてきており、特積み業界では、西暦ではなく和暦で、通称「○年運賃」「○年タリフ」と呼んでいる(ここでは、「○年タリフ」を用いる)。タリフの改定の経過は、以下のとおりである。
  まず、旧・運輸省時代の認可運賃制度の下では、昭和51年タリフ・昭和57年タリフ・昭和60年タリフがあった。
  大きく制度・料率が違うのは昭和60年タリフと平成2年タリフである。上述のように、1990(平成2)年に運賃から届出制に規制緩和された。その際に運輸省(当時)から提示された平成2年タリフは、昭和60年タリフに比して8.4%~8.6%アップした。
  次のタリフは平成6年タリフで、平成2年タリフとの違いは、平成2年届出運賃(全ての特積み業者が平成2年タリフをそのまま届出運賃とした)の上限9.8%以内であれば、届出時に必要な原価計算書等の添付が省略できた。
  続いて、平成9年タリフは、原価計算書等の添付が省略できる範囲率が、平成2年届出運賃の上限・下限9.8%まで拡大した。
  さらに、平成11年タリフでは省略できる範囲率が平成2年届出運賃の上限・下限20%まで拡大した。
  最近の届出運賃の事例は、2014年11月4日に届け出た日本通運の「積合せ運賃・料金」で、同社が2011(平成23)年に届け出た運賃の9.7%アップを届け出るとともに、輸送距離の計算にあたっては「着地を『最寄の営業所』から『貨物の着地』に改定」し、実費負担として「館内配送料」「離島への配送料」を新設した。
  これは、同社が「改定の理由」にも掲げているように、「労働力人口の減少による人手不足の顕在化など、様々なコストアップ要因が発生し、物流業界を取り巻く経営環境はますます厳しい状況になって」いるためである。
  実際に荷主と特積み事業者の運賃交渉においては、上述のタリフが現在でも使われている。それも各タリフの下限運賃(10%引き)が多い。主に使われているのは昭和57年・60年、平成2年・7年・11年の各タリフ(さすがに約40年前の昭和51年タリフの適用は、聞かなくなった)で、当時の原価を基に算出されているため、燃料費・人件費・車両費が上昇した今日、日本通運の改定理由のように、コストに見合わなくなっている。西濃運輸も2014年に届出運賃を改定し、「長距離輸送や重量物の運賃適正化」を図っている。
  荷主と特積み業界との運賃交渉では、かつてM県の漬物製造会社が、特積み各社から荷受け拒否をされて「談合で独禁法違反だ」と報道されたことがあった。元々、古い昭和タリフの下限を適用していた上に、荷主が申告するのは商品の正味重量だけで、風袋が含まれておらず過積載にも繋がるので「風袋込みの重量を申告して欲しい」というのが発端で、結局は「風袋込みの重量」イコール風袋分の運賃値上げで決着したようである。この事例では、地方では特積み事業者数が限られるので、貸切事業者に比べて、運賃交渉では有利な状況にあるとも考えられる。
  この荷主のケースのように、過去のタリフに基づく実勢運賃を適用する傾向が依然として根強いなかで、どこまで値上げができるかを疑問視する声もある。しかし、ドライバー不足の趨勢が強まるなかで、長尺物・重量物・裸輸送など積合せ輸送にマッチしない不採算貨物については、各事業者とも敬遠する動きが出ており、足元の運賃動向や荷主アンケートを見ると、「昭和タリフ」から「平成タリフ」へのシフトが着実に進んでいるようである。
  おそらくは、平成タリフ(平成2年タリフ以降)で100%収受できれば、十分採算は取れるというのが、特積み各社の見通しで、後述するように、セイノーHD・福山通運など大手業者は、急速に運賃改定を進めて業績の向上を図っている。

4.今後の特積み業界の展望

(1)苦戦する特積み業界

  特積み事業は、宅配便と共同配送(積合せ運送)に挟撃されて、ここ暫く苦戦している。インフラであるターミナルや車両の稼働率の低下に苦しむ特積み業者は、共同運行や末端配送の相互委託などを進めている。中堅以下ではM&Aされたり、特積み事業から撤退して貸切事業に専念する動きも目立ってきた。
  セイノーHDと福山通運の提携に見るように、最大手クラスでも今や単独では特積み事業の採算をとることが困難になってきている。
  大手特積み業者の場合、高度経済成長時代に高速道路IC周辺などに多くのターミナルを開設しており、地価が下がったとはいえ、まだまだ余力はある。
  しかし、大手特積み事業者でも採算ベースに乗っているのは、貨物量の多い首都圏~中京圏~近畿圏など大都市間であり、それ以外の地域間は地元の特積み事業者以外は、苦戦している。
  なぜ、そのような状態に陥ったかというと、幾つか理由を挙げることができる。

1)小口荷主への対応の遅れ
  特積み事業者が狙うのは、数社の荷主でトラックを満載できるような中ロット貨物であり、1~2個という小ロット貨物に対応できる小回りの利く集配ネットワークではない。
  特積み事業者が相手にしない中小企業・商店などをターゲットとして、小まめに集配に回り、分かりやすい個建運賃で成長したのが佐川急便である。
  佐川急便が当初進めたビジネスモデルは、図2の積合せ貨物運送(旧・区域積合せ)を、幹線輸送(貸切運送)でネットワーク化したもので図5 の変型とも言えよう。図5を冒頭の図1を比較してみると、ユーザー側から見れば、少量貨物の全国輸送という点では全く同じ輸送サービスであると言ってよい。
  このビジネスモデルについては、故・小倉昌男ヤマト運輸社長も「特積み事業ではないか」と批判していた(高杉良著「小説ヤマト運輸」新潮文庫)が、その後、佐川急便も特積み事業者として宅配便分野にも進出した。

図5 広域化した共同物流のイメージ

(出所:中小企業庁ほか「物流総合効率化法の活用ガイドブック」)
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  今では、特積み事業者も宅配便を取り扱っていることもあり、小ロット貨物にも注力しているが、佐川急便との差は大きい。

2)宅配便とのスピード競争
  佐川急便が伸びた理由の一つは、輸送スピードである。今でこそ、スピードリミッターが義務付けられ、高速道路を走る各社のトラックのスピードの差は小さいが、佐川急便は輸送・仕分けのスピード化により、夕刻集荷~翌日配送を行なった。この迅速性が、「物流の多頻度小口(JIT)化」や「在庫の極小化」に大きく貢献したと言ってよい。
  佐川急便と同様に「全国翌日配達」をキャッチフレーズにしたヤマト運輸の宅急便も、スピード競争に拍車をかけた。スタート当初は、国鉄の手小荷物や郵便小包というCtoCの消費者市場を想定していた宅急便も、今や7~8割はアマゾンのようなネット通販など、企業発のBtoBあるいはBtoCの貨物である。
  ヤマト運輸と佐川急便は、宅配便によって新しい需要を創造した。佐川急便が、その取扱貨物を宅配便として国土交通省に報告するようになったのは1999年度からで、同年度の宅配便取扱個数合計は、前年度比約5億個増という異常な伸びを示している。
  ちょうどその頃、企業間取引の多頻度小口化が進んだことで、それまで特積み事業者の主要取扱貨物であった、中ロット貨物が徐々に小ロットにシフトして行った。
  ヤマト運輸は、首都圏(羽田クロノゲート・厚木市)・中京圏(豊田市)をはじめ、東名大にゲートウェイ(大型トラックターミナル)を設置して、従来の夜間幹線走行から、昼間にも幹線走行することにより、当日配送を拡大する方向であり、さらなるスピード化が可能となる。
  5年に1回実施されている「全国貨物純流動調査(物流センサス)」でも、流動(輸送)ロットは2000年調査の1.73トン/件が、2005年調査では1.27トンに、直近の2010年調査では1トンを割った0.95トンへと小口化が進んでいる(全品目の合計)。特積み事業者が対象としている軽工業品・雑工業品(いわゆる雑貨)は、それぞれ2010年調査では、0.65トン、0.23トンと、さらに小口化が進んでいる。

3)物流システムの変化
  大幅に貨物量が減るなかで、流通チャネル・物流システムの変化が起こった。それは、イトーヨーカ堂・イオンなどのGMSや、ドラッグストア・家電量販店などに加えて、CVSでは、自社あるいは卸売業などベンダーの物流センターを活用した、センター納品形態が主流になった。
  食品業界や日用雑貨業界では 国分・パルタックなど物流機能に強みを発揮する全国規模の卸が勢力を伸ばし、これまでメーカー主導で構築された物流インフラが、川下から再編された。
  特積み事業者が、これまで中ロットで個々の店舗や問屋に納品していたのが、納品先が物流センター納品に代わることで、輸送ロットが大型化した。そうすると、メーカーからの出荷は、特積みより運賃が割安な貸切輸送で対応可能となる。
  1990年の物流二法による規制緩和で、貸切事業者にも開放された「積合せ運送」が、この「特積み外し」に拍車を掛けた。とりわけ、積合せ運送では、特積みの条件とされた「ターミナル」不要による身軽な運営が可能となり、センターへの一括共同納品という「共同化」が各地の荷主物流センターで展開された(図2・図5参照)。
  荷主である大手量販店の側でも、売価と仕入れ価格の差という本業の粗利ではなく、「センターフィー」という手数料で利益を上げるというビジネスモデルが普及したことが、重量×距離という積合せ運賃から、商品の下代(店着納入価格)の何%という従価制運賃に移行し、いっそう貸切事業者による積合せ運送を増加させた。
  この共同化と上述の多頻度小口化という輸送ロットの大小方向への二極化によって、特積み事業者がこれまで市場としていた中ロット貨物が減少した。
  その結果、ターミナルの稼働率が落ちて、維持更新もできず施設の老朽化が進んでいる特積み事業者が、地方を中心に散見される。
  現在、勝ち組として残っているのは、セイノーHD・福山通運ぐらいである。それ以外は、トナミHD・第一貨物・久留米運送・岡山県貨物・松岡満運輸・新潟運輸など特定地域(地元)に強い特積み事業者が、各社のネットワークを相互利用して上述のFitシステムで自社貨物を追跡管理しながら、全国配送を実現している。

4)特積みと宅配の危険なコラボ
  最近では、都市内物流の効率化の一環として、「館内物流(共同一括荷受け)」が増加している。
  東京都では、2006年に「総合物流ビジョン」を策定した後、2008年6月に地区物流の
改善を促進する「東京における地区物流効率化認定制度」を創設し、2012年9月には、第1号の認定を行った。商業施設・オフィスビルなどの館内物流に ついても認定の対象とされるよう制度の充実を図り、2014年9月には館内物流の第1号認定を行った。

図6 館内物流の事例

(出所)SBSロジコム社資料
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  また、地域内共同化では、福岡天神地区共同輸送、吉祥寺商店街、横浜元町商店街、藤沢スマートタウンなどの事例がある。

図7 スマートタウンの事例

(出所)ヤマト運輸資料
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  館内物流や地域内共同配送のように、配達を委託するということは、特積み事業者として集荷(営業)を放棄することに繋がらないだろうか。果たして、一括荷受け業者や地域内共同配送事業者が、従来どおり発送貨物を差し込んでくれるだろうか。
  佐川急便のSDは、「配達は最大の営業」と言っている。配達時に他業者の発送伝票が貼られた貨物があれば、「ウチに取り扱わさせて欲しい」とセールスする。
  このように、配達委託は、庇を貸して母屋を取られる危険性がある。特積み各社が、ビル内の縦持ち・横持ち配達を委託して、配達効率だけ考えると、大変なことになりかねない。
  ヤマト運輸が、幹線輸送には傭車を使っても、集配は自社社員にこだわるのは、そこがサービスと収益の根源だからであろう。

(2)特積みの生き残り策

  それでは、人口減少・国内物流市場縮小の下で、特積み事業における今後の成長要因は何だろうか。ここでは、以下の3点を挙げる。

1)国際物流への進出
  国内市場が伸びないなか、アジアを中心とした海外市場の伸長が著しい。セイノーHDは、釜山をハブとする少量貨物の国際輸送システムである、PPP(釜山プラットフォーム・プロジェクト)を積極的に展開するほか、タイなどASEAN地域も狙っている。福山通運はフォワーダー企業を買収するとともにカンボジアに進出している。トナミHDも将来を見据えて、大連・タイなどでフォワーディングを強化している。

2)3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の拡大
  特積み事業を基軸に3PLへの進出により、成長を図るというケースが多い。セイノーHD・福山通運をはじめトナミHD・第一貨物・名鉄運輸などのほか、ハマキョウレックス傘下の近物レックスも市街化調整区域に荷主専用の物流センターを開設している。
  岡山県貨物運送などの中堅企業は、倉庫や静脈物流・調達物流などの多角化を志向している。この分野は、既存の倉庫業者・貸切業者との競争も激しい。
  一方で、特積み事業者ではないが、日本自動車ターミナルは上述のように、平屋建てのトラックターミナルを、多階建ての物流センターに改築して、荷主・物流企業の誘致を図っている。
  「2015年3PL白書」(LOGI-BIZ誌)によれば、3PL売上高の上位20社に入っている特積み事業者はセイノーHD1社だけであり(特積み専業ではない、日通・ヤマトHD・佐川HD・SBS HDを除く)、特積み事業者の3PL分野への進出が遅れている。
  逆に言えば、今後、特積み事業者が既存の輸配送ネットワークやターミナル拠点、あるいは特積みのアドバンテージである市街化調整区域の開発行為を利用して、2兆円規模(3PL白書)と言われる3PL市場に進出することが期待できると言えよう。
  セイノーHDでは、東京都江東区に物流センターを兼ねたターミナルが竣工し、さらなる3PL事業の拡大を図っている。

3)幹線運行・集配の共同化とモーダルシフトの推進
  2015年に開始した、トナミHD・第一貨物・久留米運送の共同化のように、幹線運行車が満載にならない日祝日等は、共同仕立をすることで、傭車費用の削減を図るなどの効率化が進んでいる(図8)。

図8 トナミHD・第一貨物・久留米運送の幹線運行の共同化

(出所:各社ホームページ)
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  また、福山通運のように、東京23区の個人宅配を日本郵便に委託する等、集配面での委託や共同化も始まっている(集配のコラボの危険性は、上述した通りである)。
  一方で、長距離運転手の不足から、幹線運行をJR貨物の鉄道コンテナにシフトする例も、佐川急便の「スーパーレールカーゴ号」や福山通運の「福山通運レールエクスプレス号」のように見られる(図9)。

図9 福山通運レールエクスプレス号

(出所:福山通運ホームページ)
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  とくに、厚生労働省告示「自動車運転者の労働時間等の改善の基準」(通称、「改善基準告示」)の厳正化により、特積み業界では運行体制の改善・見直しを進めており、以前のように複数ターミナルに立ち寄るような、長時間の運行は減る傾向にある。
  JR貨物のコンテナ輸送量全体の1割強は特積み貨物であり、東海道・山陽・東北などの各線では、特積み各社のロゴマーク入りの30・31フィートコンテナが多数運ばれている。今後は、コンテナ貨物列車のダイヤ・輸送枠・輸送障害時対策という問題がクリアされれば、さらなる利用が進むものと思われる。
  冒頭で述べたように、特積み事業は、ハブ&スポークの輸配送ネットワークとICTシステムにより、小口少量の企業貨物をターゲットとする、スピーディで高品質の輸送サービスである。とくに最近は、自社で全国ネットワークを構築しなくとも他の特積み事業者との共同化により、全国輸配送サービスの提供が可能となった。
  主要特積み各社は、輸送効率の向上を目的として、ロールボックス単位での中ロット輸送商品を開発し、その専用輸送会社としてボックスチャーター社を合弁で設立している。出資各社がフランチャイズとなって、「JIT-BOXチャーター便」という商品名で販売し、2014年度には55万本強(前期比17.3%増)の実績がある(図10)。

図10 JIT-BOXチャーター便と加盟会社

(出所 ボックスチャーター社 パンフレット)
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  このような、幹線運行・集配の共同化・モーダルシフトは、環境・安全対策、運転手不足対策、運行の効率化などにより一層進展するものと思われる。
  従来からのネットワークの優位性に加えて、国際分野への進出や3PL事業への展開などを進めることで、特積み業界は、今後も荷主のニーズに応えながらBtoBの小口企業貨物を中心に、着実に成長していくであろう。

以上


(C)2017 Masayuki Hasegawa & Sakata Warehouse, Inc.


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